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2009-05-01 (Fri)
7作目のヘッドホンアンプでは2.4V→5V→12Vという2段階昇圧回路としましたが、5V→12V昇圧の際の電力不足により、稼働時間はたったの3.5時間しかありませんでした。
そこで、今回は1.2V→5Vの昇圧回路を二組作り、それらを直列に繋ぐことで2段階昇圧をせずに10V駆動とする様にしてみました。

今回も、アンプ回路は7作目のヘッドホンアンプと全て同一で、昇圧回路のみ変更しています。
HPA8_PWR.gif

昇圧回路から分圧回路までは、下記の通りです。
[エネループ1本1.2V -> HT7750A(5V) -> Rubycon 3300uF1個(平滑用)] x 2回路直列結線(10V) -> フェライトビーズ(ノイズ除去) -> 分圧回路

制作方法も、ほとんど同じです。

完成後、早速前回の2段昇圧PHPAと聴き比べてみましたが、2Vの駆動電圧低下(12Vから10Vへ)による音質の劣化は全く感じませんでした。
むしろ、アタック感は今回の10V駆動の8作目の方が力強いくらいです。
7作目の2段昇圧ヘッドホンアンプでは、恐らく通常の12Vに昇圧されている状態でも電源に余裕が無く、急激な音量の変化に追従できなかったのではないかと推測します。
高電圧を得るためには、2段昇圧方式よりも複数の昇圧回路を直列に繋ぐ方が効率が良いようです。

8作目の完成により、残念ながら7作目はお蔵入りとなってしまいました。(笑)
P1010257.jpg

P1010259.jpg

P1010264.jpg

P1010281.jpg
写真を見て気付かれると思いますが、コンデンサが2組パラで入っている箇所があります。
これはパッシブDCサーボ回路を構成しているコンデンサなのですが、なぜか指定値の0.22uFでは容量が足りていない様で、低音がボワついてしまいます。
カットオフ周波数の計算では、この値で正しいのですが、理由は不明です。
そこで試しに1.5uFのフィルムコンデンサをパラで入れて合計容量を大きくしてみたところ、ボワつきも無くなり、大きく改善しました。
同じ回路で制作される方がおられましたら、コンデンサの容量増加を試してみて下さい。
この改善対策が判った後、これまでに制作したヘッドホンアンプ全てに同じ対策を入れています。

初め、このボワつきは指月のフィルムコンデンサから来ているのではないか、と思って2作目のヘッドホンアンプのコンデンサを全部ポリプロピレンフィルムコンデンサに取り替えたのですが、それでも収まらなかったので、容量を変更してみたのでした。
それが、2作目のヘッドホンアンプのコンデンサを全て交換した理由です。
また、この交換によって、指月のフィルムコンデンサは低音を増強させる効果があることも確認できました。

面白いことに、駆動電圧とオペアンプによっても、このボワつきの度合いは異なるようです。
5V駆動のOP2134ではこのボワつきは小さいのですが、12V駆動のOP2604だと非常に大きくなります。

尚、この回路の作者である紫稍花さんにも、この件はお伝えしてあります。

これで、やっと、
-小型(タカチ製SW-95:95 x 58 x 18mm)・軽量で、
-単三形エネループ二本で駆動し、
-駆動時間が20時間程度で、
-オペアンプの駆動電圧が10Vであり、
-昇圧回路から発生する発振ノイズが無い、
という、私の最も望んでいた携帯型ヘッドホンアンプを作ることができました。

昇圧回路を使ったヘッドホンアンプ新3兄弟。
P1010267.jpg

今回も、価格.Comへの書き込みをしておきました。

昇圧回路を使ったヘッドホンアンプの場合、昇圧回路から発生する発振ノイズを心配される方も多いと思いますが、ノイズ対策(パーツの配置、配線、大容量電解コンデンサの使用、フェライトビーズの使用、など)をしっかり行えば、発振ノイズを十分抑えられると思います。

ぜひ皆さんも一度作ってみては如何でしょうか。

=追記=
実体配線図、部品表の情報が欲しいとの依頼がありましたので、追記します。
但し、写真のタカチのケースに入れるには内部のパーツをビッシリと詰め込まなければならず、少しでも余計な箇所が残っていると入りきりません。
(トランジスタの2段重ねや不要な基板の切り取りなどは必須です。)
最初に組まれる場合は、一回り大きいケースを使った方が良いと思います。

まずは、実体配線図から。
昇圧回路部分(クリックすると拡大されます)
昇圧回路実体配線図

分圧&アンプ回路部分(クリックすると拡大されます)
ちなみに、灰色の部分は、プリント基板の上側に配線します。
分圧とアンプ回路実体配線図

部品表(クリックすると拡大されます)
部品表

これ以外には、ボリューム(2連10kΩ, Aカーブ品)、トグルスイッチ(2回路6接点)、ボリュームツマミ、ステレオジャック(2個)、LED(制限抵抗付き)、電池ボックス、ケースが必要です。

ついでにご参考までに、使用部品の写真も撮ってみました。
コンデンサですが、左のものは私が多用している0.1uFのフィルムコンデンサ、中央が1.5uFのフィルムコンデンサ(このメーカって倒産しちゃったんでしたっけ?)、右が積層セラミックコンデンサです。
SH3G1630.jpg

続いてショットキーバリアダイオードとフェライトビーズ。(ピンク色のものはボリュームツマミです。)
ショットキーバリアダイオードですが、互換の物として、D1NS4という型番が使えます。
SH3G1631.jpg

電解コンデンサは、低ESRのものとしてOSコンが有名ですね。
22uFのものは、OSコンを使っています。
SH3G1634.jpg

昇圧回路を使うと、どうしても平滑用に大容量の電解コンデンサが必要となります。
小型で大容量のものとして、RubyCon(これも、低ESR品です)を使っています。(写真上)
但し、昇圧回路そのものには一般的な電解コンデンサを使っています。(写真下)
SH3G1632.jpg

インダクタは、このタイプのものを使っています。
SH3G1639.jpg

これらの情報がお役に立てれば幸いです。



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